コンゴ民主共和国北キブ州でエボラワクチンの接種開始

News Release (WHO)2018年8月8日

8月8日、コンゴ民主共和国公衆衛生省は、北キブ州の高リスク集団に対するエボラワクチンの接種を始めると発表しました。

ワクチン接種は今年2回目となるエボラウイルス病のアウトブレイクを発表してから、わずか1週間後に始まりました。8日までに44例の症例が報告されており、うち17例がエボラウイルス病と確認されています。

ベニ(Beni)の町から30km離れたマンギナ(Mangina)の保健医療圏で、リングワクチン接種(包囲接種)を準備し始めています。

州保健相と予防接種拡大プログラムの州コーディネーターが最初にワクチン接種を受けました。エボラウイルス病の症例を確認した人々と接触していたマンギナ保健センターの第一線の医療従事者らが彼らに続きました。

コンゴ民主共和国保健大臣Dr Oly Ilunga博士は「ワクチンはエボラウイルス病との戦いにおいて重要な手段です。医療従事者と影響を受けている住民の保護を開始するためには、これらを迅速に配置することが優先事項となりました。」と述べています。

現在、コンゴ民主共和国では、rVSV-ZEBOVエボラワクチンは合計3,220用量dosesが利用可能であり、さらに補充の用量が要求されています。エボラワクチンはまだ承認手続きの途上にありますが、ワクチンの開発者であるMerckGavi(the Vaccine Alliance)との間の合意により、追加の試験用ワクチンが利用可能になります。

WHOの事務局長Tedros Adhanom Ghebreyesus博士は、「コンゴ民主共和国は、このアウトブレイクに早期に対応して強力なリーダーシップを再び証明しました。エボラウイルスはとても活発です。我々はより積極的に対応する必要があります。早急にワクチン接種を開始することが初期段階におけるカギとなります。」と述べました。

WHOは、低温流通体系設立のための物流管理の支援を提供し、ワクチン接種に必要な資材を送付したほか、製造業者と各国当局との交渉を支援し、ギニアから予防接種を開始するワクチン専門家の配置を支援しました。

WHOアフリカ地域事務局長のMatshidiso Moeti博士は「ワクチン接種の取り組みによって示された地域の連帯を誇りにしている。アフリカ地域の強力な能力が再びこのエボラウイルス病アウトブレイクへの対応策において実証されると確信しています。」と述べました。

出典

Ebola vaccination begins in North Kivu 8 August 2018, News Release(WHO)
http://www.who.int/news-room/detail/08-08-2018-ebola-vaccination-begins-in-north-kivu

参考

「Gavi, The Vaccine Allianceの活動について」

IASR Vol. 38 p.67-68: 2017年3月号[国立感染症研究所]

https://www.niid.go.jp/niid/ja/vaccine-j/1685-idsc/iasr-out/7146-445f01.html