地域別情報:コロンビア・ベネズエラ・スリナム
気候と気をつけたい病気
- 南米北部の熱帯地域に位置し、西側にはアンデス山脈が走り、主要な都市は高地にあり、標高差によって気候が異なります。低地は熱帯雨林気候、高地は冷涼で変化の激しい山岳性気候です。雨季(5月~11月)と乾季(12月~4月)に分かれます。
- 都市部では水道の設備は整っており、衛生上の問題は少ないとされていますが、硬水のため、下痢を起こすこともあります。飲用には市販のミネラルウォーターか水道水を煮沸しましょう。
- アメーバ赤痢やウイルス性肝炎、細菌性の下痢、まれにコレラが発生することがあるようです。十分加熱されたものを冷めないうちに食べるようにしましょう。
- コロンビアとベネズエラでは広い範囲、スリナムでは全土で黄熱に感染する危険があります。マラリアに感染する危険もあります。コロンビアでは三日熱マラリア(72%)、熱帯熱マラリア(27%)が標高1,600m以下の農村地域やジャングルで、ベネズエラでは三日熱マラリア(75%)、熱帯熱マラリア(25%)が一部の農村地域で、スリナムでは三日熱マラリア(58%)、熱帯熱マラリア(40%)、混合感染(2%)が一部の地域で、一年を通してみられます。また、デング熱もあり、これらの病気は蚊に刺されることでうつります。蚊に刺されないように虫よけ対策をしてください。
- シラミ媒介性発疹チフスなどのリケッチア感染症は、コロンビアの山岳地帯でみられます。また、アンデス山脈の標高3,000m以下の西側斜面の乾燥した渓谷では、サシチョウバエによってうつるバルトネラ症(オロヤ熱)があります。このほか、サシガメによってうつるシャーガス病や、サシチョウバエによってうつるリーシュマニア症、ブユによってうつるオンコセルカ症などがありますので、吸血昆虫に刺されないよう、虫よけ対策とともに長袖長ズボンの着用が重要です。
- 湖沼や河川には、皮膚から入る寄生虫(住血吸虫症など)がいますので、入らないようにしましょう。
- コロンビアの首都ボゴタ(標高2,600m)やギニア高地(標高2,810m)などでは、高山病になる可能性もあります。とくに、低地からの急な移動に際しては注意が必要です。かかりつけ医と相談しておきましょう。
- 犬、コウモリ、キツネなどあらゆる哺乳類は狂犬病ウイルスをもっていることがありますので、野犬や野良猫も含め、動物に手を出したり、近寄ったりしないようにしましょう。
この国に関する新着情報
受けておきたい予防接種、持っていきたい薬
- *1:犬や野生動物との接触が予想される場合には推奨
- コロンビアは黄熱の国際予防接種証明書は必要ありませんが、黄熱に感染する危険のある国です。ベネズエラとスリナムでは、黄熱に感染する危険のある国から入国する際に、黄熱の国際予防接種証明書が必要です。
薬:普段服用している市販の薬、主治医より処方されている薬
- 抗マラリア薬に耐性を持つマラリアもありますので、感染する危険のある地域へ行く場合にはマラリア予防薬について医師と相談しましょう。
- コロンビアの首都ボゴタやギニア高地などの高地では高山病になることもあります。かかりつけ医とよく相談しましょう。
- 常備薬を携帯しましょう。現地の都市部では薬は入手可能ですが、言語の問題もあり、また、自分の体に合うかどうかわかりません。飲み慣れたものを持参するのが安心です。
医療情報
大都市の私立病院は、設備も充実しており、先進国で研修を受けた医師が勤務しているところもあるようです。公立病院は常に混み合っており、医薬品の不足や衛生上の問題があります。また、地方で適切な医療機関をみつけるのは難しいかもしれません。スリナムでは、医療施設は限られており、医療レベルも高くないため、緊急の場合には、国外の医療先進国で治療する必要があります。万が一のことを考え、旅行保険への加入を検討しましょう。
帰国後の過ごし方・注意点
病気は、感染してから症状が出るまでに時間を要します。これを潜伏期間と言います。滞在中数日経過してから、あるいは帰国後に症状が現れることがあります。
日本にはない病気を検査、診断、治療できる機関は限られています。帰国時に心配な症状などある方は、検疫所の担当官にご相談ください。
平成24年9月21日更新