ジフテリア
[流行地]

ジフテリアは、ジフテリア菌による急性感染症で、世界的に発生件数は減少傾向ですが、旧ソ連圏をはじめ欧米諸国や途上国では依然散発例がみられます。

わが国での発生件数は、ジフテリアを含む混合ワクチンの普及により発生件数は激減しております。

[感染経路]

患者や無症候性保菌者の咳など飛沫を介して感染します。菌が侵入した局所の偽膜性病変と菌が産生するジフテリア毒素による病変とに分類されます。

[潜伏期]

2〜5日程度です。

[症状]

咽頭や喉頭に病変がみられる場合が多く、発熱やおう吐、頭痛、咳などにはじまり、扁桃や気道に偽膜を形成して呼吸困難となり、嗄声や犬吠様咳嗽など特徴的な症状がみられます。ジフテリア毒素による病変として、心筋炎や心筋障害、末梢神経麻痺があげられます。他に眼や鼻、粘膜に病変をきたす場合もあります。

[治療法]

治療開始の遅れは予後に影響するので、抗菌薬投与など早期の治療がのぞましいですが、予防にまさる治療はありません。

[予防等]

世界各国ともEPI(拡大予防接種計画)の一環として三種混合ワクチン(DPT)の普及を推進しており、わが国でも1968年にはじまり、1981年より現行ワクチンによる定期接種となっております。

近年わが国でのジフテリア菌分離はまれにはなっていますが、保菌者が存在する可能性もあり、また旧ソ連圏など海外での流行地への渡航に際しては、定期接種より10年以上経過している場合は、免疫力の低下も考えられるので、ジフテリアトキソイドによる追加接種(ブースター)も考慮してください。