重症熱性血小板減少症候群(SFTS)

病原体

ブニヤウイルス科フレボウイルス属に属する、RNAウイルスです。
※中部ヨーロッパ脳炎やロシア春夏脳炎などのダニ媒介性脳炎とは異なります。

流行地

中国では、2009年以降、7つの省(遼寧省、山東省、江蘇省、安徽省、河南省、河北省、浙江省)で症例が報告されています。また、米国ミズーリ州においては、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)ウイルスに似たウイルスによる重症熱性血小板減少症候群様の症例が2例報告されています。日本でも2013年1月に国内で初めてSFTSウイルスによる感染症患者が報告されました。2013年3月4日からSFTSは感染症法上の四類感染症になりました。

感染経路

ウイルスを保有しているマダニに咬まれることにより感染します。

潜伏期

マダニに咬まれてから6日~2週間程度です。

症状

発熱、消化器症状(食欲低下、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛)、頭痛、筋肉痛、神経症状(意識障害、けいれん、昏睡)、リンパ節腫脹、呼吸器症状(咳、咽頭痛)、出血症状(紫斑、下血)等の症状が出現し、致死率は10%を超えます 。SFTSはダニ媒介性ウイルス感染症であることから、流行期はダニの活動が活発化する春から秋と考えられます。

治療法

特別な治療法はなく、対症療法が中心となります。

予防等

ダニに咬まれないようにすることが重要です。草むらや藪など、ダニの生息する場所に入る場合には、長袖の服、長ズボン、足を完全に覆う靴を着用し、肌の露出を少なくすることが重要です。 ※ダニ媒介性脳炎のワクチンはSFTSに対し、効果はありません。

2014年4月 更新