旅行者下痢症

概要

旅行者下痢症の明確な定義はありませんが旅行中もしくは帰国後に24時間あたり3回以上の下痢になんらかの随伴症状(悪心・嘔吐、我慢できない便意、しぶり腹、血便、粘血便といった消化器症状や発熱など)を認めた場合、旅行者下痢症とみなすのが一般的です。
旅行者下痢症の原因はさまざまで、衛生状態の劣悪な環境では、病原性細菌やウイルス、原虫、寄生虫が原因のことが多く、汚染された生水、氷、魚介類、乳製品、肉類、生野菜、カットフルーツといった食材をはじめ、加熱調理不十分な料理を摂取した場合に生じます。
それ以外にも、旅行による環境変化からくる不安やストレス、疲労あるいは現地食習慣の違い(硬水やオリーブ油、香辛料)などにより下痢を起こすこともあります。

治療法

軽症の下痢であれば、しばらくすれば改善することがほとんどですが、長く続く水様性下痢や嘔吐、腹痛、発熱、血便を認めた場合は自己判断やそのまま放置したりせず、はやめに医療機関を受診してください。なお、帰国後に受診する場合は、必ず海外旅行したことを担当医にお伝えください。
帰国後も症状を放置しておくと、とくに飲食業に従事される場合などでは、他人へ二次感染させるおそれもありますのでこまめな手洗いを心がけてください。