C型肝炎

流行地

C型肝炎ウイルス(HCV)による肝炎で、ウイルスは世界中に幅広く分布しています。全世界には約1.7億人もの感染者が存在すると推定されています。ほとんどの国が罹患率3%未満ですが、エジプトやアフリカ、アジアの中には15%以上の罹患率の国もあります。わが国でも約150万人から200万人の感染者が存在すると言われています。

感染経路

ウイルスに汚染された医療器具や輸血用血液の使用によりうつります。ウイルスに汚染された器具を用いて皮膚を傷つける行為(刺青、ピアスの装着、鍼など)によってもうつります。

潜伏期

2週間から6ヶ月です。

症状

C型肝炎に感染した人のほとんど(80%)が無症状で過ごします。症状がある場合には、食欲不振、腹痛、倦怠感、色の濃い尿などが見られます。感染した人の8割程度が慢性肝炎となり、倦怠感などの自覚症状が長く続きます。さらに10%から20%の人が、長い時間をかけて肝硬変や肝癌へと進行します。

治療法

通常、急性のC型肝炎に対して治療は行いません。慢性化した場合には、抗ウイルス剤やインターフェロンによる治療が行われます。C型肝炎には6つの遺伝子型があり、インターフェロン治療に対する反応性は異なります。

予防等

ワクチンはいまのところ、ありません。免疫グロブリンも予防効果はありません。不特定の人との性交渉は避けましょう。コンドームを正しく使用しましょう。途上国では医療器具が汚染されていることがありますので、安心できる医療機関を確認しておきましょう。
特に長期滞在者は現地においてけがや、事故などで輸血や手術を受ける事態に遭遇する場合の想定も必要です。また不衛生な場所での皮膚穿孔(耳ピアス、入れ墨や鍼など)を避けましょう。

2014年4月 更新