破傷風
[流行地]

破傷風は、創傷部位で嫌気的に発育をする破傷風菌が、産生する神経毒により生じる急性中毒性疾患です。破傷風菌は世界中の土壌に広く分布しています。この菌は空気にさらされると発育できません。

世界中で年間100〜200万人以上(過半数は新生児)発生が報告されており、わが国でも毎年100例前後(大多数は成人)の報告があります。

[感染経路]

交通事故などの外傷や動物による咬傷時に、傷口についた土や木片などから破傷風菌が体内に侵入して感染成立する経路や、熱傷、人工妊娠中絶、ピアス、覚せい剤注射にともなう感染、出産時の臍帯不潔処理による新生児感染などがあります。

[潜伏期]

3日〜3週間程度ですが、傷口の程度や感染者の免疫状態にも影響されます。

[症状]

肩こりや舌のもつれ、顔がゆがむなどで発症、開口障害に発展します。放置すれば全身けいれんや、呼吸困難により死に至る可能性が高くなります。

[治療法]

傷口を大きく開いての洗浄や消毒など、外傷時の初期治療が重要です。発症予防としてしワクチン(トキソイド)追加接種を、また感染の危険性がとくに高いと判断された場合には抗破傷風免疫ヒトグロブリン投与が必要です。発症後は、刺激をさけ、鎮静薬の投与や人工呼吸が必要となることもあります。

[予防等]

予防接種が有効です。昭和43年から三種混合ワクチン(DTP)が一般的に接種されていますが、幼小児期に三種・二種(DT)混合ワクチンを受けられた方でも、10年以上経過した場合には免疫が低下している可能性があり、未接種の方も含めトキソイド追加接種(ブースター)により免疫能を維持する必要があります。副反応のため予防接種が一時期中断されていた経緯もあり、昭和50年前後に出生の方は母子手帳や医療機関などで接種の有無を確認してください。なお、自然感染による免疫成立は認められていません。