海外感染症情報 （ＮＯ．110）
平成18年8月11日
関西空港検疫所
高病原性鳥インフルエンザの流行状況(130)
中国保健省はH5N1型高病原性鳥インフルエンザウイルス感染患者の発生を2003年11月に遡って確認した。この患者は北京の軍隊に席をおいていた24歳の男性で、同年11月25日に発症し、肺炎症状を呈して北京の病院に入院していた。患者は容態が急に悪化し同年12月3日に重篤な呼吸器症状で死亡した。これは現在におけるヒトでのH5N1型高病原性鳥インフルエンザの流行で最初に確認された症例となった。この最初の報告は軍隊に関係する幾人かの中国人の研究者により2006年6月のニューイングランドジャーナルオブメディスンにレターとして投稿されていた。この患者は当時SARSと考えられていたため、家禽との接触歴は調査されていないことから感染源は確定されていない。特に北京においては、家禽でのH5N1鳥インフルエンザの流行の報告もされていなかった。　 　　 (8月8日WHO情報）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
発生日 ｱｾﾞﾙﾊﾞｲｼﾞｬﾝ ｶﾝﾎﾞｼﾞｱ 中国 ｼﾞﾌﾞﾁ ｴｼﾞﾌﾟﾄ ｲﾝﾄﾞﾈｼｱ ｲﾗｸ ﾀｲ ﾄﾙｺ ﾍﾞﾄﾅﾑ 総数
患者 死亡 患者 死亡 患者 死亡 患者 死亡 患者 死亡 患者 死亡 患者 死亡 患者 死亡 患者 死亡 患者 死亡 患者 死亡
2003年 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 3 3 4 4
2004年 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 17 12 0 0 29 20 46 32
2005年 0 0 4 4 8 5 0 0 0 0 17 11 0 0 5 2 0 0 61 19 95 41
2006年 8 5 2 2 11 7 1 0 14 6 38 32 2 2 2 2 12 4 0 0 90 60
総計 8 5 6 6 20 13 1 0 14 6 55 43 2 2 24 16 12 4 93 42 235 137
患者数には死亡者数を含む。このＷＨＯの報告数は確定診断の症例による。 (平成18年8月8日 WHO情報)