海外感染症情報 (NO.37)
平成18年3月2日
関西空港検疫所
高病原性鳥インフルエンザの流行状況(83)
ドイツの専門家は飼い猫から高病原性鳥インフルエンザが見つかったと発表した。 その猫は先週リーゲン(Ruegen)島北部で死んでいるのが発見された。この島では2月の中旬から、100羽以上の野生の鳥が死んでおり、数羽からH5N1型インフルエンザウイルスが確認されている。現在のところ、飼い猫がH5N1型インフルエンザの感染サイクルに加わっている証拠はない。また、猫から感染した人間はいないし、飼い猫での集団発生もない。家禽や野生の鳥のように、飼い猫が保菌猫となった事実もない。これらのことに照らしあわせると、この猫の感染は家禽や野生鳥の集団発生に由来したと考えられる。2003年の半ばから東南アジアで鳥で大流行をしたH5N1型インフルエンザの中には、飼い猫に波及したとの報告も数例ある。このような感染の多くは猫が汚染された鳥を生のまま食べた事が主な原因と考えられている。
(平成18年2月28日 WHO情報)