海外感染症情報 (NO.48)
平成18年3月11日
関西空港検疫所
高病原性鳥インフルエンザの流行状況(90)
アゼルバイジャン保健省は、3月初頭からH5N1型鳥インフルエンザ感染の疑いがあるとして10名の患者を監視下において調査している。その患者は全員、アゼルバイジャン西部のSalyan RayonにあるDaikyand居留地の住人で、近くには渡り鳥が頻繁に訪れる湿地帯がある。一人目の患者は17歳の少女で2月23日に亡くなったが、死因は持病によるものと思われている。3月3日に亡くなった2人目の患者は20歳の女性で急性肺炎が急激に悪化し亡くなったが、その症状は今まで多くの鳥インフルエンザ患者に特徴的であった。2人目の患者の死をうけて、保健省は毎日、各家庭の調査を開始した。その結果、さらに8名の疑い患者が監視のため入院させた。このうち、6名は症状も軽度で、完全に回復し退院した。残りの2名のうち1名は17歳の少女で3月8日に亡くなり、もうひとりの16歳の少年は入院中で隔離されている。重篤な状態である。
(平成18年3月10日 WHO情報)