海外感染症情報 (NO.57)
平成18年3月23日
関西空港検疫所
タイでのボツリヌス症の流行状況について
WHOは、タイ北部のNan 州で宴会によばれた客が自家製の竹の子料理を食べて、集団ボツリヌス症が発生した可能性との報告を3月17日に受けた。治療に使用されるボツリヌス菌に対する抗毒素は数カ国にしかないが、WHOは3月19日朝までにタイへ届くように手配した。3月20日、公衆衛生局はNan州のBanluang地区の村での仏教祭に出席した170名のうち152名がボツリヌス症によると思われる症状(嚥下困難、講語障害、眼瞼下垂、腹部不快感、筋肉麻痺)を訴えていることを確認した。症状を訴えている人は全員、伝統的な方法で処理された竹の子の漬物を食べており、食べてから24-48時間後に症状が発現している。152名のうち、100名が入院して、40名が挿管して人口呼吸器で呼吸補助をうけている。今のところ死亡者は出ていない。
(平成18年3月22日 WHO情報)