海外感染症情報 (NO.89)
平成18年6月12日
関西空港検疫所
ナミビアでのポリオの流行状況
ナミビアのWindhoek地区中心に、突然麻痺を起こしたポリオ疑い患者34名が現在検査中である。そのうち3名からはポリオウイルス野生株が検出された。最初に発症した患者は39歳の男性で、5月8日に麻痺が起こり、その後ポリオ1型ウイルス感染が確定された。疑い患者のほとんどが20歳以上であり、そのうち7名が亡くなった。ナミビアは1996年以来ポリオの流行はなかったが、国家当局は今回の野生株によるポリオ流行への対応を計画中である。感染患者の多くが成人であるのは珍しく、現在調査中である。遺伝子検査によれば、ナミビアで流行しているのはインド由来のウイルスでアンゴラから輸入されたものである。アンゴラでは2001年以来流行はなかったが、昨年インドからのウイルスによる流行があった。ナミビアはポリオの定期予防接種を1990年から始めている。今回成人の中で大流行している原因はまだ不明であるが、幼児期に予防接種をうけていない人が罹感した可能性がある。定期接種率はナミビアではまだ地域により60から80%と差がある。
(平成18年6月7日 WHO情報)