海外感染症情報 (NO.37)
平成20年4月4日
関西空港検疫所
高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)の流行状況(28)
 H5N1型鳥インフルエンザウイルスによる2症例が、血清学的検査により確定診断され、追加となった。H5N1に関する検査の最終結果は過去に報告されている通りである。
 これらの検査はカイロにあるWHOのH5検査機関とアメリカのアトランタにあるWHO協力検査研究機関で行われた。以下の表に家族内発生の確定/疑い症例の結果がまとめられている。
 ・予備段階におけるリスクアセスメントにおいて、コミュニティ内におけるヒトーヒト感染の確たる証拠は得られなかった。
 ・家族や医療関係者を含む確認済みのあらゆる濃厚接触者は無症状であり、高度健康監視状態から解放された。
 これらの検査結果は、200712月の集団発生調査に関する疫学的知見を支持しており、以前に推測されたヒトーヒト感染についての最終的なリスク評価は、家族の内数人では限定的なヒトーヒト感染が発生した、とのことであった。この集団発生事例はコミュニティに発展することはなく、ヒトへの将来の感染リスクを減らすために適切な手段が取られた。

関係

発症日

転機

暴露

状況

症例1

2007/10/29

回復

死んだ鶏/病気の鶏に直接接触

血清学的に確定

症例2

2007/11/12

死亡(2007/10/19

症例1の患者と濃厚接触死んだ鶏/病気の鶏に直接接触は不明

推定(検体未取得)

症例3

2007/11/21

死亡(2007/10/28

症例1・2の患者と濃厚接触死んだ鶏/病気の鶏に直接接触は不明

PCR法により確定

症例4

2007/11/21

回復

症例1・2の患者と濃厚接触死んだ鶏/病気の鶏に直接接触は不明

血清学的に確定
(平成20年4月3日 WHO情報)