海外感染症情報 (NO.26)
平成21年3月4日
関西空港検疫所
スーダンにおけるポリオの流行状況について
 スーダンでポリオウイルス1型野生株(WPV1)の流行が拡大している。さらに、世界各地へ拡がる危険性が非常に高まっているため、感染確認地域における緊急の対応と、危険な国々における監視の強化が求められている。これまでの流行は、スーダン南部とエチオピア西部に限定されていたが、今やケニア、ウガンダにまで拡がっている。WPV1に感染した2症例も、スーダン北部(ハルツームとポートスーダン)で確認された。この例は、スーダン南部の流行が拡大したか、国外から新たに持ち込まれたか、あるいは2003~2006年の間にナイジェリア北部起源のウイルスがこの地域に入り込み拡がったかが示唆されている。
 ポートスーダンのWPV1を確定することは特に重要である。2004年から2006年にかけて、この地域から野生株ポリオウイルス1型が拡がり、サウジアラビア、ソマリア、イエメン、インドネシア等の国々で再感染が起こり、さらにまた、1200症例以上もの患者の流行が引き起こされた。この流行をとめるには、2006年5月にWHOで採択された「国際ポリオ流行対応基準」を感染伝播が断ち切られたと確認されるまで、完全実施することが求められる。
(平成21年3月2日 WHO情報)