海外感染症情報 (NO.85)
平成21年11月5日
関西空港検疫所
カーボベルデ共和国におけるデング熱の流行状況について
 
  2009年10月28日現在、カーボベルデ共和国保健省は、ブラバ、フォゴ、マイオ、サンティアゴの4島における未知のウイルス性疾患疑い患者3367名を報告した。   
 ダカールのパスツール研究所で検査された最初の検体が、デング熱ウイルス3型と確認された。カーボベルデ共和国でデング熱の流行が報告されるのは初めてである。また、同国では2009年6月以来、新型インフルエンザ(H1N1)が現在も流行している。 
 同国政府は、デング熱の流行を封じ込めるため、首相が主導し全省を巻き込んで、媒介蚊駆除に向けた省内委員会を立ち上げた。実施された施策は、患者管理、媒介蚊駆除、社会的動員などで、WHOと共同して保健省と政府IT機関は、迅速なサーベーランスおよび報告システムを立ち上げた。
 10月26日、WHOアフリカ地域事務局、国家間支援チーム、ダカール・パスツール研究所から派遣されたチームが、流行調査の支援をするためカーボベルデに到着した。同チームは検査学的、昆虫学的、疫学的支援を提供し、アゴスティニョ・ネト病院に検査診断設備を整える。チームはさらに媒介蚊の駆除活動や疫学的動向の報告・分析を開始する。世界感染症警戒・対応ネットワークは、カーボベルデの保健当局に追加支援を提供する。
(平成21年10月30日 WHO情報)