海外感染症情報 (NO.89)
平成21年11月13日
関西空港検疫所
インド洋とアジアでのチクングニア熱の
流行状況について



  2006年よりアジア地域の一部とインド洋でチクングニア熱の発生が報告されている。幾つかの国々はチクングニア熱への警戒を強めたが、症例は報告され続けている。   
 チクングニア熱はウイルス性疾患で、蚊に刺されることによってヒトに感染する。症状は突然の発熱、関節痛(腫脹をともなったり伴わなかったり)、悪寒、頭痛、吐き気、嘔吐、腰痛、発疹である。チクングニア熱は主にアフリカやアジアでおこっている。  
 タイでは、2009年9月29日にチクングニア熱の大流行があり、特にプーケットなどの観光地を含む南の地域で流行した。タイ健康省によると、今年、50の県で42,300人の患者が報告された。政府の報告によると、チクングニアウイルスは国内でまん延している。
 マレーシアでは、同年9月26日、マレーシア健康省は3,185人のチクングニア熱患者を報告した。特に流行している地域は北部のKedah県,続いてKelantan, Selangor, Perak, Sarawak県などである。
 レユニオン(仏領)では、同年8月28日、フランス政府がレユニオン島での3例のチクングニア熱確定例を報告した。全例が島の西側にあるSaint-Gilles-Les-Bains地域での発生であった。しかし蚊の活動報告によると、ウイルスはレユニオン島内でまん延している。
(平成21年10月28日 CDC情報)