海外感染症情報 (NO.105)
平成22年10月26日
関西空港検疫所
パキスタンでのクリミア-コンゴ出血熱デング熱流行情報について
 
 

10月15日現在、パキスタンにおける国際保健規則情報連絡窓口である保健省は、3死亡例を含む26例のクリミア‐コンゴ出血熱症例をWHOに報告しました。それに加えて、これまでパキスタンからは、15死亡例を含む1,500例以上のデング熱確定症例も報告されています。

クリミア-コンゴ出血熱とデング熱はパキスタンでは季節性に流行していますが、最近では発生率の増加や地理的拡大も顕著となっています。最近の洪水によって、これらの疾患の危険因子が変化したことで今回の大流行が発生した可能性があります。

保健省はクリミア-コンゴ出血熱とデング熱の流行を鎮静化させるため、公衆に対する予防対策などの啓蒙活動・出血熱患者の対処法・薬剤や保護具の備蓄・ベクター(媒介生物)コントロールの実施などを強化しています。

パキスタン保健省からの要求によりWHOは専門家の動員やサーベイランス体制強化などを行い、同国を支援しています。

(平成22年10月25日 WHO情報)