海外感染症情報 (No.118)
平成22年12月7日
関西空港検疫所
アジア(インド洋地域)におけるチクングニア熱の流行状況(3)
 

2006年以降、ヨーロッパの一部、アジアおよびインド洋地域においてチクングニア熱の流行が報告されています。いくつかの国々は監視体制を強化していますが、地域全体を通じての症例報告は続いています。

チクングニア熱はウイルスを保有した蚊に刺されることで感染し、突然の発熱・関節痛(関節の腫れを伴うこともある)・悪寒・頭痛・嘔吐・腰背部痛・発疹などが見られます。特別な治療法や予防接種はありませんので、蚊に刺されないようにすることが大切です。主にアフリカやアジア地域で流行していますが、2007年にはイタリアで限局した流行がありました。

以下、ヨーロッパ、アジア、インド洋地域での最近のチクングニア熱流行状況です。

フランス:20109月、フランスでインド渡航歴のあるチクングニア熱患者1例が報告されました。同月にヴァール県フレジュスでチクングニア熱患者がさらに2例報告されています。後の2例は1例目の患者の近隣に住んでおり地域内で感染したと考えられています。この地域では監視体制が強化され、以後発生報告はありません。

中国:広東省において地域内で感染した10例のチクングニア熱患者が報告されています。中国国内での感染報告は初めてです。さらに90例が検査中ですが、死亡例の報告はありません。全例が広東省東莞市からの報告です。

※マレーシア・タイ・インド・インドネシア・フランス領レユニオンについては前回(20101018日更新分)と同様です。

  

(平成22年12月6日 CDC情報)