海外感染症情報 (NO.12)
平成22年2月26日
関西空港検疫所
アジア(インド洋地域)でのチクングニヤ熱の流行状況

2006年より、アジアのいくつかの地域とインド洋地域でのチクングニヤ熱の活動が報告されている。いくつかの国々はチクングニヤ熱の調査を拡大した。患者はこの地域より報告されつづけている。

チクングニヤ熱はウイルスによる病気で、感染した蚊に刺されることによってヒトに感染する。症状は突然の発熱、関節痛(腫れを伴ったり伴わなかったりする)、悪寒、頭痛、吐き気、嘔吐、背部痛、発疹である。チクングニア熱はアフリカやアジアで主に発生する。2007年、イタリアでチクングニア熱の限局的な発生があった。

次に挙げるのは、アジア、インド洋地域で最近チクングニヤ熱の活動性が高い地域の例である。

◆Indonesiaインドネシア

チクングニヤ熱の流行がスマトラ島南部のLampung州で報告されている。200912月の第2週中頃から20101月初旬までに、6700名のチクングニヤ熱感染症例が報告された。2009年にはチクングニア熱による死亡例は報告されていないが、インドネシアの12の州で、合計43206症例が報告された。

◆Thailandタイ

2009年に、プーケットなどの観光地を含む特に南部の地域で、チクングニヤ熱の大流行があった。タイ保健省によると、50以上の州から、49069名以上の症例が報告された。タイ保健省からの報告によると、チクングニヤ熱ウイルスは国内でまん延し続けている。

◆Malaysiaマレーシア

2009年にマレーシア保健省は4430名以上のチクングニヤ熱症例を報告した。死亡例はなかった。最も影響をうけた地域は北部の州のSarawak Kedahで、次にKelantan SelangorPerakが続く。チクングニア熱の活動性は2010年まで続いており、さらに325症例が2010年の第5週までに報告されている。症例はSerawakで特に発生している。

                                                                      219WHO 情報