海外感染症情報 (No.83) |
平成22年8月16日 関西空港検疫所 |
パンデミック・インフルエンザ(H1N1型)の 流行状況について(22) |
WHOは、8月10日、新型インフルエンザ(H1N1)の警戒レベルをフェーズ6からポスト・パンデミック期(最盛期後)へと切り替えました。今後このH1N1ウイルスは季節性インフルエンザとして流行を続けることが予測されます。 世界的に見て、H1N1の感染レベルとパターンは今やパンデミック期に見られていたものとは大きく異なり、北・南半球いずれにおいても季節外の大流行はもはや報告されておらず、パンデミック期にH1N1ウイルス感染が優勢でしたが、現在は多くの国々から種々のインフルエンザウイルス感染が報告されています。ただ今後も警戒を続けることは重要で、WHOはこれからのサーベイランス・ワクチン・臨床対応等に関するアドバイスを発表しています。過去の情報・経験に基づくと、ポスト・パンデミック期では若年者グループで重症化することが示唆されており、またハイリスクグループ患者にとっては依然、その状況が続きます。パンデミック期には、季節性の流行期には通常見られない重症の原発性ウイルス性肺炎に進行する人々もいましたが、ポスト・パンデミック期にこの状況が変わるかどうかは分かりませんので、さらなる警戒が必要です。 |
(平成22年8月10日 WHO情報) |