海外感染症情報 (NO.2)
平成23年1月7日
関西空港検疫所
ウガンダでの黄熱発生について

ウガンダ保健省は、同国北部で発生している原因不明の疾患の中に黄熱と確定診断された症例があるということを発表しました。この流行は201011月初旬に始まり、現在まではウガンダの北部地域のみで報告されていますが、ウガンダでは全国的に黄熱発生の危険性があることから、米国疾病管理センター(CDC)は長年の間、ウガンダへの渡航者全員に黄熱ワクチンを接種するよう勧めてきました。
 ウガンダでは、1970年代以降初めて確認された大流行であり、同国保健省は発生地域における大規模なワクチンキャンペーンを計画しています。
 黄熱はサハラ以南アフリカと南米の熱帯地域で発生しており、黄熱ウイルスに感染した蚊に吸血されることでヒトに感染が拡がります。突然の発熱、悪寒、頭痛、嘔気・嘔吐などで発症します。

《渡航者の方へ》
 ウガンダでは常に黄熱のリスクがあります。今回の流行は、現時点でウガンダの北部へ渡航する際には黄熱に感染するリスクが高くなるということを示唆しており、また、渡航前の予防対策(とくにワクチン接種)の必要性を強調しています。
 過去10年以内に黄熱ワクチン接種を受けていない場合は、ウガンダへの渡航を避けるようにして下さい。黄熱ワクチンの効果を得るには接種後10日間必要です。ウガンダ北部に渡航する場合には、ワクチン接種後少なくとも10日間は現地に入らないようにして下さい。
 CDCは生後9ヶ月以上のウガンダへの渡航者全員に黄熱ワクチンを受けることを推奨しています(ウガンダは黄熱発生国からの1歳以上の全ての入国者に関して黄熱ワクチン接種を要求しています。)。ワクチン接種が可能かどうか医師と相談し、ワクチン接種ができない場合はウガンダへの渡航、とくに今回の流行が起こっている地域に行くことは避けるようにして下さい。 
 その他、虫除けの使用や長袖・長ズボン着用など蚊に刺されないようにすることも重要です。


(平成23年1月6日 CDC情報)