海外感染症情報 (No.24)
平成23年3月23日
関西空港検疫所
麻疹(はしか)に注意
 麻疹は現在でも世界の多くの地域でよくみられる疾患です。毎年1,000万人が罹患し、うち164千人が死亡していると考えられています。麻疹はワクチンで予防可能な小児疾患による死亡原因の第一位となっており、ヨーロッパを含む多くの地域で流行がみられています。先進国、発展途上国を問わず感染リスクがあることから、海外渡航者は渡航先にかかわらず事前に予防接種を受けておくことが必要です。
 麻疹はもっとも感染力の強い感染症のひとつで、感染者の咳やくしゃみから感染が広がります。麻疹ウイルスは咳やくしゃみのあと、空気中や付着表面で最大2時間感染力を維持します。麻疹の典型的な症状は、皮疹、高熱、咳、鼻汁のほか、目が潤んだり、赤くなったりします。耳の感染症、下痢、肺炎などがみられることもあり、入院治療が必要となることもまれではありません。
 麻疹を含めた定期予防接種をきちんと受け、海外渡航時には予防接種記録を持参しましょう。
(平成23年3月21日 CDC情報)