海外感染症情報 (NO.4)
平成23年1月14日
関西空港検疫所
メキシコ(コスメル)でのレジオネラ症流行について

メキシコのコスメル島にあるウィンダム・コスメル・リゾート&スパ施設内でレジオネラ症の流行が報告されています。20085月以降、米国やオランダからの旅行者で同施設に宿泊した者の中から計9例のレジオネラ症確定患者が報告されています。20104月の調査に基づいて共同用水の消毒が行われていましたが、同年12月に9症例目の患者が確認され、感染源がまだ存在することが示唆されます。
 《渡航者の方へ》 レジオネラ症はレジオネラ菌に汚染されたエアロゾルを吸入することで起こる肺炎です。ヒトからヒトに感染することはありません。ジャグジーや冷却塔、スプレー、シャワーヘッド、蛇口などから出る霧状の水が主な感染源になります。感染する危険性が高い渡航者は他の施設に宿泊するか、同施設におけるとくにシャワーなどによるエアロゾルへの暴露を避けるようにして下さい。 ※ハイリスク者:喫煙者、50歳以上、慢性疾患(糖尿病、肺疾患、免疫不全(悪性腫瘍・移植・免疫抑制剤など)、腎疾患、心疾患)
 レジオネラ肺炎の潜伏期間は2〜14日間で、高熱・咳・呼吸困難で発症します。下痢や頭痛、筋肉痛を伴うことも多いです。レジオネラ肺炎は重症化しやすく致命的ですが、適切な治療を受けることで回復します。帰国後2週間以内にこれらの症状が見られた場合は速やかに医療機関を受診して下さい。また、レジオネラ症の軽症型としてポンティアック熱があります。発熱・頭痛・筋肉痛などが2〜5日間続きますが、肺炎症状は呈さず自然軽快します。


(平成23年1月12日 CDC情報)