2010年4月21日、タジキスタンでは2002年にポリオ清浄国と公認されて以降、世界保健機関(WHO)ヨーロッパ管区において初めてインドからの輸入ポリオウイルスが報告されました。
その後、同国は輸入ポリオウイルス対策を続けていますが、他の中央アジア諸国(カザフスタン・キルギスタン・タジキスタン・トルクメニスタン・ウズベキスタン)やロシア連邦への輸入ポリオウイルスの拡大が危惧されています。
また、ロシア連邦北コーカサス地域へのウイルス伝播により、アルメニア・アゼルバイジャン・グルジアにも感染が拡大する恐れがあります。タジキスタン:2010年は712例の急性弛緩性麻痺症例の報告があり、うち457例がポリオと確定診断されています(29例死亡)。
確定症例のうち298例は5歳未満の子供です。2011年は6月7日時点で、12例の急性弛緩性麻痺症例が報告されています。
14例のポリオ確定例が報告されており、うち5例は渡航者によるものですが国内拡大は報告されていません。
症例はモスクワ・チェリヤビンスク・エカテリンブルグ・イルクーツク・ハバロフスクおよび北コーカサス連邦管区のチェチェン共和国・ダゲスタン共和国から報告されています(共和国内の3例はタジキスタンへの渡航歴なし)。
トルクメニスタン、カザフスタン、ウズベキスタン、キルギスタンでもポリオの確定診断はついていませんが、2010年から2011年にかけて急性弛緩性麻痺症例の報告が続いています。
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