海外感染症情報 (NO.65)
平成23年8月29日
関西空港検疫所
ギリシャでのマラリア発生状況
 

CDC(米国疾病予防管理センター)の発表によりますと、ギリシャ南部ペロポネソス地方ラコニア県のエロスおよびスカラに7月最終週に滞在した旅行者が、三日熱マラリアに罹患したことが確認されたとのことです。この旅行者は、他のマラリア発生地域への渡航歴はありませんでした。

ギリシャは1974年以降、マラリアの国内発生はないとされていましたが、20116月以降計6例のマラリア患者が報告されています。いずれもマラリア発生地域への渡航歴はなく、三日熱マラリアと診断されています。同国南部ペロポネソス地方のラコニア県や、中央ギリシャ地方のエヴォイア県で確認されています。

この発生を受け、ギリシャCDCは、監視体制および媒介蚊対策の強化、医療従事者や地域住民への情報提供などを行っています。

ギリシャでのマラリア発生は限られた地域のみであり、国としても種々の対策を行っていることから、CDCは現時点ではギリシャ渡航に際するマラリア予防薬の服用は推奨していません。虫除け剤や蚊帳を使用するなど蚊に刺されないよう注意して下さい。

(平成23年8月24日CDC情報)