海外感染症情報
(NO.75) |
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平成23年10月11日 関西空港検疫所 |
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ヨーロッパ・アフリカ・アメリカ地域における麻疹流行状況 |
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2011年は、ヨーロッパおよびアフリカ地域の世界保健機関(WHO)加盟国において麻疹の大流行が報告されており、それに関連した症例報告がアメリカ地域で見られます。 ヨーロッパ:2011年9月20日時点で、WHOヨーロッパ地域加盟国53ヶ国中40ヶ国において、今年1月から7月までの間の定期調査や流行報告を通して、計26,025例の麻疹確定症例がWHOヨーロッパ地域事務局に報告されていますが、フランスの報告数が最多です。死亡例も各国から11例報告されています。 アフリカ:地域事務局は2011年9月時点で、コンゴ民主共和国で103,000例以上、ナイジェリアで計17,428例 、ザンビアで5,397例、エチオピアで2,902例の麻疹症例を報告しています。 アメリカ:この地域では2002年を最後に麻疹の流行は報告されていませんでしたが、2011年は他の地域からの輸入例に関連した流行が散見されています。カナダのケベック州での流行が最大規模で、742例の感染報告があり89例が入院治療を要しましたが死亡例は報告されていません。その他、米国213例以外に、中南米からも報告されています。 麻疹は感染力が強く、健常人においても合併症や死亡を引き起こすことがありますが、ワクチン接種により予防することができます。15歳までの全年齢において計2回のワクチン接種を行い、各国は接種率95%を確保する必要があります。海外渡航者は渡航前に麻疹ワクチン(混合ワクチンも可)を2回接種していることを確認するようにして下さい。 |
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(平成23年10月7日WHO情報) |