海外感染症情報 (NO.99)
平成23年12月26日
関西空港検疫所
     ブラジルでの黄熱流行について


 ブラジルでは沿岸部を除くほとんどの地域へ渡航する際に、黄熱に感染する危険性があります。2009年には長年黄熱の流行がなかった南東部において黄熱の流行が起こり、多数の死者が出ました。これを受けてブラジル保健省は、南東部4州(サン・パウロ州、パラナ州、サンタ・カタリーナ州、リオグランデ・ド・スル州)における黄熱ワクチン接種推奨地域を徐々に拡大しているようです。
 世界的には黄熱はサハラ以南アフリカや南米熱帯地域で発生しており、感染蚊の刺咬によりヒトに感染が拡がります。症状としては、突然の発熱、悪寒、頭痛、背部痛、嘔気、嘔吐などが見られます。
 現在、ブラジルおよびCDCが黄熱ワクチン接種を推奨している州・都市は以下の通りです。
 アクレ州、アマパー州、アマゾナス州、連邦直轄地区(首都ブラジリアを含む)、ゴイアス州、マラニョン州、マット・グロッソ州、マット・グロッソ・ド・スル州、ミナス・ジェライス州、パラー州、ロンドニア州、ロライマ州、トカンティンス州の全域、バイーア州、パラナ州、ピアウイー州、リオグランデ・ド・スル州、サンタ・カタリーナ州、サンパウロ州の指定地域。イグアスの滝を訪れる際にもワクチン接種推奨。
 リオデジャネイロ市、サンパウロ市、サルヴァドール市、レシーフェ市、フォルタレーザ市などの沿岸都市では推奨せず。
 ブラジルでは入国の際に黄熱ワクチン接種を要求されることはありませんが、渡航先に黄熱感染危険地域が含まれている場合はワクチン接種を強くお勧めします。また、蚊に刺されないよう気を付けて下さい。
(2011年12月19日CDC報告)