海外感染症情報 (NO.105)
平成24年11月26日
関西空港検疫所
英国で新型のコロナウイルス感染が確認(7)
11月23日、WHOは新型のコロナウイルス感染症の新たな感染者4人、うち1人死亡を報告しています。新たな症例はサウジアラビア(3人、うち1人死亡)とカタール(1人)で確認され、これで現在6人が感染を確認されています。
これまでのところ、サウジアラビアで最近確定された2症例は、同じ家族で、同一世帯に住んでいたことから疫学的に関連がありました。予備調査の段階でその2人は同様の症状を呈し、その後1人は死亡し、1人は回復しています。さらに、同一家族内の他の2人も同様の症状を呈し、1人は死亡、1人は回復しています。死亡例の調査結果は保留されていますが、回復例の検査結果では新型のコロナウイルスは陰性でした。
WHOはすべての加盟国で、重症急性呼吸器感染症(SARI)に対し、監視を継続することを奨励し、現在、症例定義及び新型のコロナウイルスに関連する他の指針を検討しています。より多くの情報が得られるまでは、ウイルスは同定された2国以外にも広く拡散していると考えるのが賢明です。加盟国は関与した2国に渡航歴の有無に関わらず、原因不明の肺炎患者が確認された場合、新型のコロナウイルスの検査を考慮する必要があるとしています。また、SARIの患者集団や医療従事者のうちで発生したSARIの患者集団に対しては、それが世界のどこで発症したかに関わらず、徹底的に調査すべきだとしています。
これまでにWHOに報告された6人の確定診断例のうち、4人(うち2人は死亡)はサウジアラビアから、2人はカタールからの報告です。
(2012年11月23日 WHO報告)