11月28日にサウジアラビアから報告のあった新型コロナウイルスによる死亡例に追加して、30日、ヨルダンでの死亡例2例がWHOに報告され、確定診断例は合計9人になりました。

新たに確定診断されたサウジアラビアの患者は、10月に発生したもので、以前確定診断された2人と同一家族内発生です。

ヨルダンからの患者2人は本年4月に発生したものです。その頃、同国では重症肺炎患者が複数発生しており、ヨルダン保健省が直ちにWHO新興・再興感染症国際共同研究センター（NAMRU-3）のチームに対し研究調査での緊急支援を要請しました。NAMRU-3チームはヨルダンへ向かい、当該の患者集団から得られた検体の検査を行いました。

4月24日、NAMRU-3チームは保健省に対し、全ての検体において既知のコロナウイルスや他の呼吸器感染ウイルスは陰性であることを報告しました。新型コロナウイルスについてはまだ認められていませんでしたので、同ウイルスについての特異的検査は実施できませんでした。

本年10月、新型コロナウイルスの発見以降、保存検体がヨルダン保健省によってNAMRU-3に送られ、同11月NAMRU-3は患者2人で新型コロナウイルス感染が確定したという検査結果を報告しました。

ヨルダン保健省はWHOに対し、この感染症の調査協力を要請しています。WHO東地中海地域事務所（EMRO）と本部は11月28日、重症急性呼吸器感染症（SARI）に対するさらなる疫学調査の協力と監視調査システムの強化を行うため、アンマンに入っています。

これまでのところ、新型コロナウイルスによる感染確定例は合計9人、うち5人（3人の死亡を含む）がサウジアラビア、2人がカタール、2人（いずれも死亡）がヨルダンからの報告です。