海外感染症情報 （ＮＯ．34）
平成２４年６月６日
関西空港検疫所
鳥インフルエンザ(H5N1型)の流行状況（28）

鳥インフルエンザ-中国・香港特別行政区での状況

　2012年6月5日、香港の健康局衛生防護センターは鳥インフルエンザ(H5N1)ウイルスのヒト感染例が確認されたと発表しました。患者は広東省広州市の2歳男児で、5月23日に広東省で発症し、5月26日に香港で個人クリニックを受診しました。5月28日、患者は熱性けいれんを起こし病院へ搬送され、6月2日、鳥インフルエンザ(H5N1)ウイルスの感染が確認されています。患者の状態は重篤で、現在も入院治療が継続されています。

5月中旬、母親は患者を連れて広州市にある生きた家禽を扱う市場を訪れ、生きたアヒルを買い、その場で屠殺しました。患者の接触者は鳥インフルエンザ(H5N1)ウイルス陰性だったとのことです。これまでのところ本例は同ウイルスのヒト感染の孤発例であり、二次感染や集団感染の報告はありません。

香港では鳥インフルエンザ(H5N1)ウイルスによる感染者は、1997年の18名、2003年の2名、2010年の1名と本例を含めて22名の報告があります。
発生日 ｱｾﾞﾙ ﾊﾞｲｼﾞｬﾝ バングラデシュ ｶﾝﾎﾞｼﾞｱ 中国 ｼﾞﾌﾞﾁ ｴｼﾞﾌﾟﾄ ｲﾝﾄﾞﾈｼｱ ｲﾗｸ ラオス ミャンマー ナイジェリア パキスタン ﾀｲ ﾄﾙｺ ﾍﾞﾄﾅﾑ 総数
患者 死亡 患者 死亡 患者 死亡 患者 死亡 患者 死亡 患者 死亡 患者 死亡 患者 死亡 患者 死亡 患者 死亡 患者 死亡 患者 死亡 患者 死亡 患者 死亡 患者 死亡 患者 死亡
2003年 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 3 3 4 4
2004年 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 17 12 0 0 29 20 46 32
2005年 0 0 0 0 4 4 8 5 0 0 0 0 20 13 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 5 2 0 0 61 19 98 43
2006年 8 5 0 0 2 2 13 8 1 0 18 10 55 45 3 2 0 0 0 0 0 0 0 0 3 3 12 4 0 0 115 79
2007年 0 0 0 0 1 1 5 3 0 0 25 9 42 37 0 0 2 2 1 0 1 1 3 1 0 0 0 0 8 5 88 59
2008年 0 0 1 0 1 0 4 4 0 0 8 4 24 20 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 6 5 44 33
2009年 0 0 0 0 1 0 7 4 0 0 39 4 21 19 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 5 5 73 32
2010年 0 0 0 0 1 1 2 1 0 0 29 13 9 7 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 7 2 48 24
2011年 0 0 2 0 8 8 1 1 0 0 39 15 12 10 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 62 34
2012年  0 0 3 0 3 3 2 1 0 0 9  5  5 5 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 4 2  26 16
総　　計 8 5 6 0 21 19 43 28 1 0 167 60
 188 156 3 2 2 2 1 0 1 1 3 1 25 17 12 4 123 61 604 356
患者数には死亡者数を含む。このＷＨＯの報告数は確定診断の症例による。 （平成２４年６月６日　ＷＨＯ情報）