海外感染症情報 (NO.42)
平成24年7月10日
関西空港検疫所

カンボジアにおける診断未確定の疾病(3)



201279日、診断未確定の疾患の継続した調査の一環として、カンボジア保健省は、全ての疑い入院例の再評価を行いました。この最終評価では、本年4月から75日の間にさらに2症例が追加され、感染児童の数は59名となりました(うち52名は死亡)。症例の年齢分布は生後3ヶ月から11歳で、大半が3歳未満です(男女比は1.31)。最新の検査結果では、高い割合で、手足口病の原因となるエンテロウイルス71型(EV-71)が陽性でした。一般的に、EV-71ウイルスは重篤な合併症を起こす場合があることが知られています。デング熱ウイルスやストレプトコッカス・スイス(ブタ連鎖球菌)を含むその他の病原菌もいくつかの検体から確認されていますが、H5N1やその他のインフルエンザウイルス、SARSウイルス、ニパウイルスについては陰性でした。臨床情報、検査結果および疫学情報を総合するために、さらなる調査が進められています。
 WHOと、カンボジアパスツール研究所やアメリカ合衆国疾病管理予防センターなど関係機関は、カンボジア保健省を援助しています。政府もまた、手洗いを含む衛生活動に関する国民の啓発活動を強化しています。

(2012年7月9日WHO報告)