海外感染症情報 (NO.76)
平成24年9月24日
関西空港検疫所
英国で新型のコロナウイルス感染が確認

 9月22日、英国で腎不全を伴う急性呼吸器症候群患者が1名出たことが報告されました。
 患者はカタール国籍の49歳男性で、生来健康でしたが、今月3日に発症し、7日にカタール・ドーハの病院に入院後、集中治療室で治療を受けていました。患者は発症前にサウジアラビアへ渡航していました。11日に英国へ搬送され、検査の結果、新種のコロナウイルスが確認されました。この患者から分離されたウイルスと、今年初めに死亡したサウジアラビア国籍の60歳男性の肺組織から分離されたウイルスとを分析したところ、分析した領域において99.5%一致しており、相違は1ヶ所のみでした。コロナウイルス科は、感冒やSARSを引き起こすウイルスを含みます。原因となったウイルスが新しいコロナウイルスであることから、WHOはこれら2名の患者が及ぼす公衆衛生上の影響について検討すべく、より詳しい情報を収集しているところです。
WHOでは今のところ渡航制限に関する勧告は出されていません。
(2012年9月23日WHO報告)