海外感染症情報 (NO.97)
平成24年11月2日
関西空港検疫所
モーリタニアにおけるリフトバレー熱の流行について
 モーリタニア保健省は10月4日にリフトバレー熱の流行を宣言しました。最初の患者が発症した9月16日から10月30日までに17人の死者を含む34人の患者が報告されています。最後に発生した患者は10月27日ブラクナ州マグタ・ラージャールで確認されました。患者が発生している地域はアサバ、ブラクナ、ホズ・シャルギ、ホズ・ガルビ、タガント、トラルザの6州となっています。すべての患者には動物との接触があったとのことです。
 患者25人については検査により感染が確認されており、国立獣医学研究所の分析によると国内のいくつかの州において動物間でウイルスの伝播がみられていることが明らかとなっています。
 今回の流行に対応するため多機関で構成されるタスクフォースが設立され、WHO、FAO等の関係機関はヒト・動物の疫学調査を強化し医療機関の患者収容数を増やし、食肉処理場では予防対策を強化し、家畜業者に対しては知識の普及に努めています。
 汚染地域でのヒト・動物間の流行の調査のため調査団が結成され、専門家からなるチームも結成され11月3日から10日までの間援助することになっています。
 尚、同国では2010年にもリフトバレー熱が流行しました。
 今回の流行についてはWHOによる渡航制限に関する勧告は出ていないということです。
(2012年11月1日WHO報告)