海外感染症情報 (NO.115)
平成25年8月19日
関西空港検疫所
ソマリアとケニアにおけるポリオの状況(3)
 ポリオ撲滅のためのグローバルイニシアティブによりますと、2013年に入り、ソマリアで100例(前回から5例増加)の報告があります。これらは2007年以降に報告された最初の野生株ポリオウイルスです。

 また、ケニアから10例(前回報告と同じ)が報告されています。これらは2011年7月以降に確認された最初の野生株ポリオウイルスです。ケニアのダダーブの難民キャンプには、ソマリアを含むアフリカの角地域から約50万人の難民が収容されています。アフリカの角地域では大規模な人口の移動があり、持続的にポリオに対する免疫が欠落している地域が存在するため、ポリオが流行する危険性があります。ソマリアとケニアの両国で予防接種キャンペーンを実施しているのに加え、エチオピアやイエメンを含むアフリカの角全域でも計画、実施されています。

 米国CDCは、ソマリアやケニアと、その周辺国のジブエ、エチオピア、南スーダン、ウガンダ、タンザニアに渡航する全ての人にポリオワクチンの接種を推奨しています。さらに、成人にはポリオワクチンの追加接種を推奨しています。

(2013年8月16日 CDC報告)