海外感染症情報 (NO.121)
平成25年8月30日
関西空港検疫所
中東呼吸器症候群コロナウイルス感染確定例報告(41)
 2013年8月29日 カタールから新たに2例のMERS-Covの感染確定例が世界保健機関(WHO)に報告されました。

 1例目の患者は、基礎疾患を有する59歳の男性で、今月15日に発症しています。入院中ですが、病態は安定しています。

 予備的な疫学的調査では、患者は6日間のサウジアラビア・メジナへの旅行から帰国した当日に発症しています。彼はウムラ(小巡礼)には参加しておらず、メジナ・ナバウィの礼拝堂(モスク)も訪問していません。詳しい調査は進行中です。

 2例目の患者は、直近の海外渡航歴のない、基礎疾患を有する29歳の男性です。

 この2名のMERS-Covへの感染は、国際協力機関ある研究所において確定診断されました。また、合計138人の医療従事者、家族、地域での接触者が、同国でMERS-Cov感染のスクリーニング検査を受けましたが、これまでのところ 全員が陰性でした。

 2012年9月から現在までに、WHOには世界中で104例の診断確定例が報告されており、内49名が死亡しています。
(2013年8月29日 WHO報告)