海外感染症情報 (NO.130)
平成25年9月24日
関西空港検疫所
中東呼吸器症候群コロナウイルス感染確定例報告(46)
 今年の6月2日に本報告でとりあげた中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)感染確定例とされたイタリアの2例は確定例から可能性例に変更となりました。(6月2日分の記事参照)今年の5月に実施された検査の結果を再度分析すると世界保健機関(WHO)における診断確定例の定義を満たしていないことが判明しました。この2例は2歳の少女と42歳の婦人で、感染者であるヨルダンからの旅行者と接触があったとされる例です。

 WHO基準における可能性例とはMERS-CoVに感染した可能性が極めて高いが、患者からの検体が最新の検体検査による診断基準で診断確定されるほどに得られなかった場合をさしています。

 WHOは最近推奨されるMERS-CoV暫定診断検査基準についてアップデートしています。(WHO DON参照(英文))

 2012年9月から現在WHOには130の診断確定例が報告され,うち58例が死亡しています。
(2013年9月20日 WHO報告)