海外感染症情報 (NO.136)
平成25年10月9日
関西空港検疫所
カメルーンでの黄熱病の流行
 2013年10月8日カメルーンの保健省は、黄熱病のハイリスク地域と考えられる13の保健地域、663,900人を対象に黄熱ワクチンのワクチン集団接種を行い、うち94%完了しました。

 ワクチン接種キャンペーンは、今年4月にカメルーンの沿岸地域で2人の黄熱病確定例が出た事を受けて、今年8月27日から9月1日までに同地域で実施されました。最初の患者は、ドムの保健地域(在住)の43歳の女性で、今年の3月15日に発症しました。

 患者はカメルーンのパスツール研究所でIgM 抗体ELISA検査にて感染確定され、その後、WHOの地域協力検査センターであるセネガル・ダカールのパスツール研究所で、黄熱のプラーク減少中和試験(PRNT)が実施されました。

 2012年、北西部、南西部、西部を含む地域から疑い例が報告されました。これらの症例は、発症後14日以内に発熱や黄疸の症状があった患者を識別するサーベイランスシステムの一環にて発見されました。

 WHOの地域事務所は、黄熱流行への調査と対応において保健当局に協力を行ってきました。現在もカメルーンでは黄熱病のサーベイランスが行われています。

 GAVIアライアンスと黄熱ワクチンの提供に関する国際調整グループ(YF-ICG)は、ディボンバーリ 、エデア、ルム、マンジョ、マノカ、ムバンガ、ムロン、ドム、ニャンベ、ンコンジョック、ンコングサンバ、プマ、Yabass(Dibombari, Edea, Loum, Manjo, Manoka, Mbanga, Melong, Ndom, Ngambe, Nkondjock, Nkongsamba, Pouma , Yabass)の13もの保健地域、663,900人を対象とするワクチンの集団接種を支援しています。

 YF-ICGは、緊急対応用の黄熱ワクチンの備蓄を循環基金(rotation fund)に基づいて管理する事業体です。国連児童基金(UNICEF)、国境なき医師団(MSF)、国際赤十字・新月社連盟(IFRC)とWHOが代表、事務局となっています。備蓄はGAVIアライアンスにより支援を受けています。
(2013年10月9日 WHO報告)