海外感染症情報 (NO.141)
平成25年10月21日
関西空港検疫所
中東呼吸器症候群コロナウイルス感染確定例報告(49)
 2013年10月18日、カタールから世界保健機関(WHO)に対し、新たに中東呼吸症候群コロナウイルス(MERS-CoV)感染確定例が報告されました。

 患者は基礎疾患を持つ61歳の男性で、11日に入院しています。現在も入院中で、状態は安定しています。患者はカタールでMERS-CoV検査陽性となり、昨日、イングランド公衆衛生当局により確定診断されました。

 予備調査では、患者は発症2週間以内にカタール以外への旅行していなかったことが明らかとなりました。患者は農場を所有しており、ラクダ・羊・鶏を含む動物と濃厚な接触を認めました。農場の動物に対して検査を実施したところ、MERS-CoVは陰性でした。患者と農場の動物に対して、さらなる調査を継続しています。

 2012年9月から現在までに、WHOには世界中で139例の確定診断例が報告されており、このうち60人が死亡しています。
(2013年10月19日 WHO報告)