海外感染症情報 (NO.142)
平成25年10月22日
関西空港検疫所
シリア・アラブ共和国でのポリオ疑い例の報告
 10月17日シリア・アラブ共和国で急性弛緩性麻痺(AFP)の集団発生例が世界保健機構(WHO)に報告されています。この「現在流行している」AFP集団発生例は10月始めにデイル・エ・ゾール県から発生しており、現在調査中です。ダマスカスの国立ポリオ研究所の初期結果では2例がポリオ陽性でした。最終結果はWHO東地中海の地域(EMRO)委託研究所からの発表を待っています。前回シリアで野生のポリオウイルスが流行したのは1999年です。

シリア・アラブ共和国の保健省は、 研究所の最終結果が出るまでの間、「現在流行している」AFP集団発生例として対処する事を確認し、緊急対応が現在、全国で計画されています。シリアの現在の状況は、ポリオや他のワクチンで予防出来る病気に関する高リスク国と考えられています。

監視警報が潜在的な例を積極的に探している地域で発令されています。近隣諸国での補足的な予防接種活動を現在計画中です。

WHOの「国際渡航と健康(International Travel and Health)」は、ポリオの発生地域への全ての渡航者と、発生地域からの渡航者に対し、ポリオワクチンを規定の回数分接種することを推奨します。
(2013年10月19日 WHO報告)