海外感染症情報 (NO.48)
平成25年5月9日
関西空港検疫所
新型コロナウイルス感染確定例報告(12)

2013年5月8日、フランス保健社会問題省は、世界保健機構(WHO)に対して、新たに1人の新型コロナウイルスヒト感染確定例を報告しました。
 患者は免疫不全状態を含めた基礎疾患のある患者です。4月23日に発症し、その後呼吸器症状を呈しました。5月7日にパスツール研究所により新型コロナウイルスの確定診断がされました。確定診断は、鼻腔ぬぐい液の検体(咽頭上部からの分泌液)で陰性が確認された後に、気管支肺胞洗浄(口腔あるいは鼻腔から肺へ気管支鏡を挿入して、液体を採取する検査手技の1つ)の検体から確定診断されました。患者は現在入院中です。
 予備調査により、患者はドバイ、アラブ首長国連邦への渡航歴があることが分かっています。この症例についてさらなる調査が継続されています。
 2012年9月から現在まで、WHOには全世界で31人の新型コロナウイルスヒト感染確定例の報告があり、うち18人が死亡しています。

 WHOは今回の発生を考慮した、入国時の特別なスクリーニングを行うことや、いかなる渡航・交易制限の適用を推奨していません。
 WHOは引き続き現状を密に監視しています。

(2013年5月8日 WHO報告)