海外感染症情報 (NO.55)
平成25年5月15日
関西空港検疫所
新型コロナウイルス感染確定例報告(15)
 2013年5月14日、サウジアラビア保健省は、世界保健機構(WHO)に対して、新たに4人の新型コロナウイルスヒト感染確定例を報告しました。

1人目の患者は、4月25日に発症した複数の疾患を有する69歳女性で死亡しました。
2人目の患者は、4月24日に発症した複数の疾患を有する48歳男性で重篤な状態です。
3人目の患者は、4月26日に発症した複数の疾患を有する81歳男性で重篤な状態です。
4人目の患者は、5月7日に発症した複数の疾患を有する56歳男性で回復して退院しました。

 5月の初めから現在まで、9人の死亡者を含む計19人の患者は、流行の主であるサウジアラビア東部の医療施設から報告されています。政府は、流行の調査を続けています。

 2012年9月から現在まで、WHOには全世界で38人の新型コロナウイルスヒト感染確定例の報告があり、うち20人が死亡しています。

 現在の状況と利用可能な情報に基づいて、WHOはすべての加盟国へ、重症急性呼吸器感染症(SARI)の監視強化を継続し、通常でないパターンの症例を慎重に検討するよう推奨しています。

 医療提供者は、最近、ウイルス感染の発生した地域からの帰国者で、SARIが発生していないか注意深く警戒するよう推奨しています。可能であれば、診断のために患者の下気道からの検体を採取すべきです。

 WHOは全ての加盟国に対し、nCoVの新たな感染者が発生した際には、考えられる感染源と臨床経過の情報を合わせて、速やかに評価して報告するよう呼びかけています。
 WHOは、この事例に関して入国時の特別なスクリーニングおよび渡航や貿易を制限することを推奨していません。
 WHOは引き続き状況を注視し、現状を密に監視しています。
(2013年5月14日 WHO報告)