海外感染症情報 (NO.6)
平成25年2月12日
関西空港検疫所
新型コロナウイルス感染確定例報告
2013年2月11日-英国は世界保健機構(WHO)に新型コロナウイルス感染確定例1名を報告しました。患者は英国在住で、1月26日に発症しました。気道から採取した検体検査の結果、インフルエンザウイルスA(H1N1)pdm09と新型コロナウイルスの両者に感染していることが明らかとなりました。患者は集中治療室で治療を受けています。

 予備調査により、この患者はパキスタンとサウジアラビアへの渡航歴があることが分かっており、現在、さらに詳しい調査が行われています。

 英国健康保護庁(HPA)は、患者周辺の厳重な感染防止対策を開始し、患者が症状のある間に接触のあった濃厚接触者の確認を行っています。

 今回の患者は散発例であり、新型コロナウイルスに関する現在のWHOのリスク評価法は変更されませんが、新規発症例により、新型コロナウイルスの感染が持続していることが判明しました。2月11日現在、WHOに報告された新型コロナウイルスのヒト感染確定患者は合計10名となっています。

 現在の状況と入手可能な情報に基づき、WHOは全ての加盟国に対し、急性重症呼吸器感染症(SARI)に対する監視の継続と、通常でない病状経過等について注意深く調査するよう促しています。説明のつかない肺炎患者、あるいは治療に反応しない重症、進行性の、または合併症を併発したような患者では、特にアラビア半島およびその周辺諸国に居住または渡航していた場合、新型コロナウイルス検査を検討すべきだとしています。

 重症呼吸器感染症の集団感染、あるいは医療従事者に見られた重症呼吸器感染症の場合は、それが世界のどこで起きたとしても、徹底的に調査されるべきとしています。
新規患者および集団感染例が発生した場合は、ただちにその発生国の保健当局とWHOの両者に報告が求められます。

 WHOは新型コロナウイルス感染に対し、入国時の特別なスクリーニングを推奨していません。またいかなる渡航や貿易の制限も推奨していません。

(2013年2月11日 WHO報告)