海外感染症情報 (NO.69)
平成25年6月3日
関西空港検疫所
エチオピアでの黄熱
 2013年5月31日、エチオピアの保健省は2013年5月7日に同国で6人が黄熱の確定診断をされたことを受け、6月10日から同疾患に対する緊急大規模予防接種キャンペーンを実施するとしています。

 このキャンペーンは、南アリ、北アリ、Benatsemay, Selamago, Hammer, Gnangatom の6地区と南部諸民族州のオモゾーンの行政町(Jinka)を含めた527,000人以上のエチオピア国籍および人種を網羅することを目的としています。

 黄熱ワクチン供給のための国際調整グループ(YF-ICG11)はエチオピア保健省がワクチン予防接種世界同盟(GAVI)やその他のパートナーの協力のもとに実施する同予防接種キャンペーンのために585,800回分以上の黄熱ワクチンを供給することにしています。WHOは患者発生調査、患者のための施設整備、発生患者制御のための資源動員を密に支援するとともに、フィールドにおける疾病予防及び制御活動を監視しています。

 確定診断された6例は南部諸民族州のオモゾーン出身でした。これらの症例は、国内の黄熱発生動向調査システムを通じて同定されました。

 2013年1月に発熱、黄疸、出血を呈した初発例の39歳男性は、IgM抗体陽性により確定診断されました。鑑別診断のために実施された他のフラビウイルスの検査は陰性でした。

 確定診断はWHOの黄熱に関する地域レファレンス研究施設である、セネガルのダカールにあるパスツール研究所で行われました。
(2013年5月31日 WHO報告)