海外感染症情報
(NO.76) |
平成25年6月10日
関西空港検疫所 |
中東呼吸器症候群コロナウイルスに関する更新 |
2013年6月5日、このガイダンスは、世界保健機関(WHO)が5月20日に公開した中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERSコロナウイルス)に対する旅行時の勧奨を更新したものです。 2012年9月以来、世界的にMERSコロナウイルスの症例が50以上確認され、約半数が死亡しています。すべての症例において、中東との直接的もしくは間接的な接触のいずれかがあることが確認されました。しかし、中東への最近の渡航歴が確認された何例かは、濃厚接触者に対して、その地域における非連続的な感染伝播をもたらしました。これまでのところ、すべてのヒト-ヒト感染は、家族、職場、医療機関のいずれかで発生しています。現在、感染伝播の様式は不明のままです。ウイルスは動物由来と考えられていますが、今のところ、どの動物種においても同定されていません。感染をもたらす曝露の様式も不明です。一般的に、MERSコロナウイルス感染は肺炎を伴いますが、それだけではなく、腎不全も引き起こしています。免疫不全患者では下痢などの非定型症状も報告されていますが、最も一般的な症状は、発熱、咳、そして呼吸困難です。 医療従事者への助言:
保健省への助言:
ウイルスと感染様式の起源は不明ですが、以下のとおり一般的な感染リスクを軽減させることが賢明です。
旅行中や帰国後に症状が発見された中東への旅行者は、医師の診察を受けて渡航歴を告げることが推奨されます。急性呼吸器感染症の症状がある人は、咳エチケット(距離を保つ、咳やくしゃみを使い捨てティッシュや衣類で覆う、手を洗う)を実行して、症状がなくなるまでは旅行を延期してください。 入手可能な情報に基づいて、WHOはこの事例に関して特別な入国スクリーニングおよび渡航や貿易を制限することを推奨していません。 |
(2013年6月5日 WHO報告) |