海外感染症情報 (NO.78)
平成25年6月17日
関西空港検疫所
コンゴ民主共和国での黄熱
 2013年6月14日付で世界保健機関(WHO)から公表された情報によりますと、コンゴ民主共和国保健省は、黄熱に対する緊急集団予防接種キャンペーンを計画しており、6月20日から開始される予定です。これは6月6日に6人の黄熱患者が確定されたことへの対応です。

 6人の黄熱確定患者は3つの地区から報告されています。ルバオで4人、カマナで1人、Ludimbi-Lukula で1人です。これらの患者は国家黄熱発生動向調査プログラムによって確認されました。確定診断のための検査はWHOの黄熱に関するレファレンス研究施設として指定されている、セネガルのダカールにあるパスツール研究所で確認されました。

 先行調査では2013年3月1日にルバオのキセングア村で16歳の少年が最初に発症したことが明らかになっています。その後の調査で3つの地区から51人の疑い例、うち19人の死亡が明らかになりました。血清サンプルを13人の患者から採取しており、国立生物医学研究所(INRB)で分析しています。

 緊急予防接種キャンペーンは、3地区の503,426人を対象としています。

 黄熱ワクチンの提供に関する国際調整グループ(YF-ICG11)は、ワクチン予防接種世界同盟(GAVIアライアンス)、国境なき医師団や他の関係機関の支援を受け、コンゴ民主共和国保健省が行う集団予防接種キャンペーンのため、55万9,000回分の黄熱ワクチンを提供する予定です。

 WHOは、アウトブレイクのモニタリング管理や資源の動員などの緊密な支援を行っています。
(2013年6月14日 WHO報告)