海外感染症情報 (NO.89)
平成25年7月1日
関西空港検疫所
ソマリアとケニアでポリオの流行
 ポリオ撲滅のためのグローバルイニシアティブによりますと、2013年に入り、ソマリアから9人のポリオ患者が報告されています。ソマリアでの野生株のポリオ感染の報告は2007年以来です。

 またケニアからも5人の患者が報告されています。ケニアでの野生株のポリオ感染の報告は2011年7月以来です。ケニアには大きな難民キャンプがあり、ソマリアを含むアフリカの角(アフリカ大陸東端のソマリア全域とエチオピアの一部などを占める半島)を越えてやって来た、約50万人の人々が収容されています。アフリカ角地域では大規模な人の移動があり、一部の地域では終生免疫に差があるため、同地域の国々はポリオが流行する危険性があります。現在、予防接種キャンペーンがケニアとソマリアの両国で行われています。予防接種キャンペーンはエチオピアやイエメンなどのアフリカの角の他の国々でも計画、実行されています。

 米国CDCはソマリアやケニア、その周辺国のジブチ、エチオピア、南スーダン、ウガンダ、タンザニアに渡航する人々全てにポリオの予防接種を完全に受けていくことをお勧めしています。さらに大人にはポリオワクチンを1回追加接種することを強く勧めています。
(2013年6月19日 CDC報告)