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中東呼吸器症候群コロナウイルス感染確定例報告(63) 平成26年1月7日更新

 2013年12月25日から31日にかけて、世界保健機関(WHO)は、サウジアラビアにおける新たな中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)確定診断例を5例報告しました。

 最初の症例は、リヤド出身の57歳の男性で、12月17日に入院して現在は集中治療室(ICU)にいます。患者は12月19日に検査で確定診断を受けました。患者は基礎疾患がありますが、動物や確定患者との接触やリヤド地域以外の渡航歴はありません。

 2例目は、リヤド出身の73歳の男性で、呼吸器症状を発症して11月25日に集中治療室へ移送されましたが、12月17日に死亡しました。患者は11月19日に検査でMERS-CoVの確定診断を受けました。患者は動物や確定患者との接触がなく、リヤド地域以外の渡航歴もありません。

 残りの3症例(男性2例、女性1例)は、何も症状が報告されていない医療従事者です。

 2013年12月26日、世界保健機関(WHO)は、アラブ首長国連邦(UAE)における新たな中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)確定診断例を1例報告しました。加えて、UAEは、12月22日に報告された68歳の男性の死亡を発表しました。

 新しい症例は、シャルジャ出身の59歳の女性で、12月22日に報告された68歳の男性の妻です。患者には、症状、動物との接触歴、および海外渡航歴はいずれも無いと報告されています。患者は隔離入院中です。他の接触者は調査されましたが、MERS-CoVは陰性でした。

 2012年9月から現在までに、WHOには世界中で176人の確定診断例が報告されており、このうち74人が死亡しています。

 WHOは、今回の事例に関して、入国時の特別なスクリーニング及びいかなる渡航や貿易の制限を推奨していません。

(2013年12月31日WHO報告)