(No.22)

中東呼吸器症候群コロナウイルス感染確定例報告(66) 平成26年1月28日更新

 2014年1月27日、世界保健機関(WHO)は、新たな中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)確定診断例を2例報告しました。
詳細は以下の通りです。
 1例目 サウジアラビアの保健省によりますと、患者はリアド出身の54歳男性で、2013年12月29日に呼吸器症状で発症し、2014年1月4日に入院し、集中治療室での治療を受けましたが、同月14日に死亡しました。死後検査にてMERS-CoVの確定診断となりました。患者は医療従事者で、慢性基礎疾患を持っていました。動物やMERS-CoVに感染した患者との接触歴、さらに渡航歴もありませんでした。現在、調査は継続中です。
 2例目 1月23日、ヨルダンの保健省によりますと、患者は48歳の男性で2013年12月31日に発熱・空咳・呼吸困難・腹痛・嘔吐を症状で発症し、2014年1月9日に入院しました。入院中に状態が悪化し、同月16日に人工呼吸器が取り付けられ、23日に死亡しました。21日に採取した検体からPCR検査にてMERS-CoVの確定診断となりました。患者は基礎疾患があり、その治療のために昨年11月12日から12月25日まで英国に渡航していました。動物との接触歴や過去30日間に大規模な社会的イベントへの参加はしていません。また、昨年12月25日から31日にクウェートから2名の来客を受け入れていたとのことであった。ヨルダンの国家当局は患者の家族・医療従事者・保健従事者に対して健康監視と厳密な感染防御策をしています。調査はヨルダンおよび英国で継続中です。
 2012年9月から現在までに、WHOには世界中で180人の確定診断例が報告されており、このうち77人が死亡しています。
WHOは、今回の事例に関して、入国時の特別なスクリーニング及びいかなる渡航や貿易の制限を推奨していません。