(No.70)

リベリアにおけるエボラ出血熱の流行状況(1) 平成26年4月2日更新

 2014年3月30日、リベリアの保健省(MoH)はリベリアにおけるエボラ出血熱(EHF)の疑い患者および検査確定症例の更新情報について報告しました。29日時点で、コナクリのダカール・パスツール研究所(IP)の出張検査室で、ロファ群フォヤ地区成人の7検体に関してエボラザイールウイルスプライマーを用いたPCR検査が行われました。うち2検体でエボラウイルス陽性でした。また、疑い患者のうち2例の死亡例がありました。1例目はエボラウイルス陽性の35歳女性で3月21日に死亡しています。2例目はエボラウイルス陰性の男性で27日に死亡しています。フォヤはリベリアにおいてEHF疑い患者および検査確定症例が報告されている唯一の地区であり、リベリアでは26日の時点で、27人の接触者が健康監視下に置かれています。

 国際保健規則(IHR,2005)に準拠して、リベリアMoHは、世界保健機関(WHO)や近隣諸国と定期的に連係し、監視システムと感染予防および対策の調和および融和を支援しています。

 医療管理施設内の活動には、フォヤ病院における感染予防管理(IPC)の強化、患者隔離と治療を扶助するための、さらなるPPE(個人防護具)、医療物品の提供、IPCにおける医療従事者の訓練等が含まれます。27日、モンセラード郡の5つの病院から50人の医療従事者がEHFに関する訓練を受けました。PPEと医療品供給はギニア国境にあるボングとニンバ郡にも送られました。

急速に変化する状況下において、報告された症例や死亡者数、医療観察下にある接触者数、検査結果の数は、監視システムの強化と接触者の追跡調査、研究所での継続的な調査、患者、接触者、検査結果の統合、等により変化します。

 リベリアでは、WHO 、国際赤十字(IRC)、サマリタンズパース(SP)、ペンテコステ派布教団(PMU)、CHF-WASHリベリア、プランリベリア(PLAN-Liberia)、国連連合人口基金(UNFPA)とユニセフ(UNICEF)と協力して国家非常事態対策部局を設置しています。

 IRCはロファ群の地域医療従事者間で啓発キャンペーンを支援し、PMU-リベリア とSPリベリア と協力して37の診療所、3つの保健センター、カラン・ルーテル教徒病院を含む41の医療施設にPPEを提供しています。サマリタンズパースは影響を受けた人への医薬品や燃料の提供も行っています。

 CHF-WASHリベリア、 プランリベリア、UNFPAとユニセフは、EHFに対する住民の啓発、感染リスクの軽減手段を促進する等の、社会活動のためにMoHを支援しています。

 WHOは、この事例に関して、リベリア、ギニアやシエラレオネへの渡航や貿易を制限することを推奨していません。


(2014年3月30日WHO報告)