(No.78)

西アフリカにおけるエボラ出血熱の集団発生(3)  平成26年4月8日更新

(ギニア・リベリア・シエラレオネ・マリ・ガーナ)

 2014年4月7日の更新情報です。ギニア保健省は、累計151例の臨床的にエボラウイルス病(EVD)として矛盾しない事例、うち95例が死亡例であることを報告しました。ダカールのパスツール研究所(IP)からの調査のための検査支援により、コナクリ県では65例を調査し、34例がエボラウイルスについてのPCR法による検査で陽性でした。欧州連合(EU)のモバイル研究所(EMLab)チームによるゲケドゥ県での調査では36例の検査のうち20例が陽性でした。535人の接触者に対し、経過観察が行われています。医療従事者による新たな感染例や、新たな地域からの感染例は、前回の報告からありません。

 4月7日の時点でリベリアの保健・社会福祉省(MOHSW)は可能性例と疑い例の合計16例と5例の確定例、うち10例の死亡例を報告しています。確定例5例は全て死亡しました。最近の死亡例のほとんどがモンセラード郡での可能性例からです。医療従事者で3例が感染し、3例とも死亡しました。直近の確認された例は4月6日で、現在6人が入院しています。現在28人の接触者に経過観察が行われています。

 シエラレオネではエボラウイルス感染症の流行状況は変わりありません。同国の保健衛生省は出血熱の疑い例2例が、同国で流行しているラッサ熱と確定しました。

 マリの保健省は、4月7日の時点で合計6例の疑い例を報告し、うち2例が米・アトランタのアメリカ疾病予防管理センター(CDC)で検査され、EVDおよび他のウイルス性出血熱共に陰性であったと報告しています。残る疑い例4例の検体は本日、CDCとダカールのパスツール研究所に送られています。

 ガーナの保健省はクマシ市の急性熱性疾患で死亡し、報道ではEVD疑い例として報告されていた12歳の少女が、EVDではなかったとしています。アクラのガーナ大学の野口記念研究所で少女の検体の検査が行われました。

 状況は急速に変化するため、報告された症例数や死亡者数、医療監視下にある接触者数、診断確定症例数は予備的であり、監視活動の強化や接触者の積極的な追跡調査、研究所における継続中の検査結果により発生数は変化します。

 WHOは、この事例に関して、ギニア、リベリア、シエラレオネ、マリへの渡航や貿易を制限することを推奨していません。

(2014年4月7日WHO報告)